ワキガの原因
わきの下のにおいというと、「ワキガ」が浮かぶと思います。
臭いに代表されるのがこの「ワキガ」ではないでしょうか?暑い夏場になると非常に効力を発揮し、ひどい状態になると部屋全体に悪臭が漂うようになります。「ワキガ」は臭いを発している本人は、さほど気づきませんが、周りにいる人間にはものすごく抵抗のある臭いです。
ワキガは、通常、人のワキの部分から臭いが発生する汗腺系の体臭で日本人の場合だと10〜20人に一人いると言われています。
ワキガは、単純に、汗くさいにおいではなく、わきの下などにある、アポクリン腺という汗腺から出る汗の成分が、空気に触れて変質し、細菌によって分解されることによって、においが発するものです。
ワキガの臭いの強さは、アポクリン腺の数や大きさに比例し、非常に個人差が大きいものです。
アポクリン腺は真皮の下にある直径2〜3mmのイクラのような粒々で、毛のある範囲に存在し、毛穴に向かって開口しています。
日本人の場合、1平方cmあたり、ふつうは1個くらいですが、ワキガの強い人は50個くらいびっしりと密集しています。
人間には、もうひとつ、エクリン腺という汗腺もあります。こちらは全身にあり、ここから出てくる汗には、においはありません。
しかし 汗が分泌、その汗が細菌に分解された時に体臭が発生、嫌な臭いや汗臭さの原因となります。
雑菌は、酸性よりアルカリ性のときのほうが繁殖しやすいという性質があります。ふつう皮膚表面は弱酸性ですが、大量に汗をかくとアルカリ性に傾き、雑菌が繁殖し、すえたニオイが強くなっていきます。
さらに、体内に乳酸がふえると、汗に含まれる尿素とアンモニアが急激にふえ、汗臭さに強烈なアンモニア臭がプラスされます。
私たちは体内の“クエン酸回路”というシステムでエネルギーを生み出しているのですが、末梢血管の循環が悪くなって酸欠になったり、食事のバランスが崩れたり、ストレスが重なってくると、クエン酸回路ではなく、糖を消費する解糖系が働き、汗の中に乳酸が増え、アンモニア臭の原因になるのです。
体臭を改善するには
その1(酢風呂)
雑菌の繁殖を抑え、血行をよくして、クエン酸回路を正常に働かせることがポイントとなります。
そのためには、風呂の湯に醸造酢または黒酢を入れて入浴する酢風呂が有効です。ふつうの酢なら180リットルの湯にコップ1杯、黒酢ならおちょこ1杯で十分です。
酢の主成分、クエン酸には殺菌作用があるうえ、皮膚表面を酸性に保つため、雑菌の繁殖が抑えられます。
また、クエン酸の一部は汗腺から吸収されますし、入浴によって血行がよくなり、相乗効果でクエン酸回路を促進し、乳酸の生成を抑えるので、強烈なアンモニア臭も解消できます。
ぬるめの湯に長くはいるのは体のためにはよいのですが、皮膚がふやけて発汗しにくくなります。長湯をするなら、塩大さじ1から2杯加えて浸透圧を高めると、皮膚がふやけるのを防げます。
酢風呂を1週間もつづけると、不快な汗の臭いが心地よい匂いに変わっていくでしょう。
その2(レモン湿布)
レモン1個、40度くらいのお湯2リットル、洗面器、タオル(さらに強力な消臭をのぞむ場合、ミョウバン大さじ5〜6杯を用意してください。ミョウバンは薬局、スーパーなどで売っています)を用意します。
洗面器にお湯を入れ、レモン1個分の果汁をしぼり入れます(ミョウバンを入れる場合はこのとき一緒にいれてかき混ぜます)。
レモン汁の入ったお湯にタオルをたっぷりとひたし、お湯がたれない程度にしぼります。
タオルをワキの下に5〜6分あてて湿布します。時間がないときはふくだけでもOK。
レモンの殺菌・消臭作用で雑菌の繁殖が抑えられ、汗の臭いが消え、ワキの下がさわやかな柑橘系の匂いに変わります。
外出時の一時的な臭い止めにおすすめです。
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